No.160 [凛(りん)としてー]
2010年12月号



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【ひねくれコラム】NO・160 
〈凛(りん)としてー〉
▼1952年に「真昼の決闘」という有名な映画があった。主演は
一世を風靡したゲーリー・クーパー。相手役はグレイス・ケリー
〔後のモナコ王妃〕。と同時に、決闘シーンで流れる音楽、
『High noon(ハイ ヌーン)』が臨場感を際立たせる。
▼『保安官一人で、殺し屋ギャングに立ち向かわざるを得ないとい
う内容。華を添えるのは、かの有名な後のモナコ王妃・グレイス・
ケリー。この保安官は無敵のヒーローではなく、反して暴力を恐れ
る普通の人間として描かれている』。―某著書よりー
▼太陽が燦々と輝いている。妙に眩しい。忘れられない映画の一つ
だ。むろんこの映画を観たのはずっと後のこと。中学3年か高校一
年の頃だったと思う。決してスーパーマン的ヒーローではない、ク
ーパーの保安官像に強烈な印象を覚えた記憶がある。
▼あれから58年後の今日、世界で5〜6位の広さを誇り、日本国
の要衝(かなめ)である海の「国境」を守る海上保安官が核心的な
過ちを犯した。「海上保安庁」。彼は銃をも携帯可能な、れっき
とした警察官。逮捕権もある。当然、守秘義務も生じる。
▼『守秘義務』とは…秘密を守る義務。公務員、医師、弁護士など
一定の者が業務上知った秘密を守るべき法律上の義務。漏らせば処
罰されるとある。その国民の規範となるべき立場の保安官がことも
あろうか、「国家機密」である尖閣ビデオを個人の意思の下、マス
コミに流出させるとはー。

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▼言語道断! と言いたいところだが、そうはいかん。諸々の経緯
(いきさつ)、状況においては毎日のように報じられたゆえ省く。
それにしてもあの熱気、報道ぶりは今何処(いまいずこ)の観あり
ー。今もって保安官の真意は図り切れない。今後は本当の意味での
「守秘義務」を貫くことだろう。
▼あのとき、もし逮捕・起訴したならば、世論は黙っちゃいなかっ
た。崩れゆく警察・検察に対して容赦ない非難を浴びせ、その矛先
は現内閣にも及び、政権崩壊の引き金になったことは容易に想像で
きる。
▼彼の行った行為はあきらかに違反しているが、根本の要因
(Factor)は、慌てふためいて船長を釈放したこと又、拘束
されたフジタの社員が解放された時点で、ビデオを公開しなかった
「官邸側」にある。
▼そして中国政府との裏工作、密約を優先したがため、さらに混乱
に拍車をかけた。国民の感情を読み誤った現内閣の致命的欠陥とい
える。足下を見透かされ、小外掛けされようが小内刈りされようが
諸手(もろて)刈りされようが返し技がない。足元がふらつけば、
いとも簡単に「足技」は掛かる。
▼その所似(ゆえん)は、日米のきずなが揺らいでいることにある。
日米関係が盤石であれば、中・露は表立った揺さぶりはかけられな
い。その負の遺産を残した彼の名は永遠に忘れよう。それでも「米」
への追随がいやであればそれで良し。独自の軍隊を構え、憲法を改
正し、「集団的自衛権」を行使できるようにせよ。できるかいー?
「凛(りん)とせよ! 菅総理」。                  
                         ―夢追人―

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―編集後記―
 いいねえ、いいねえ、若さってー。さわやかだ。斎藤(佑)、
遼もいい。政界では、やはり進次郎がいい。特に歯切れがいい。
実力はともかく、「華」がある。それも薔薇や蓮華ではなく、
「向日葵(ひまわり)」かな。これからの経験が大きくする。
さしずめ対照的にあるのは、野武士風のマー君。来年が楽しみ
で仕方ない。札幌と仙台で火花を散らす「巌流島の闘い」。
巌流島は小倉と下関の玄界灘のほぼ中央に位置する、面積0・
103平方kmの小島(無人島)。
 それはさておき、「巌流島の闘い」には、いくつかの逸話が
あるという。諸説プンプン。何故、武蔵が勝ち、小次郎が敗れ
たか?歳の功、武蔵の心理戦が奏功した。つまり「焦(じ)ら
した」。そして「櫂(かい)」で闘った。その櫂を背中で隠し、
小次郎に見せなかった。つまり櫂の長さを計らせなかった。そ
して間合いをも計らせなかった。そして小次郎は敗れた。某資
料の受売りやけど、この推理はいかがかなー? さて、斎藤
(佑)とマー君はどちらが小次郎で、どちらが武蔵かな?
愚問でした―。                ―T・K―

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